裁量労働制の良い所

またまた、ちらしの裏に書いとけ的な事を書きます。
裁量労働制ってありますよね。仕事を進めるにあたっての時間配分を裁量するかわりに
深夜と休日以外は、残業代を支払わなくていい制度です。
IT業界でも専門業務型裁量労働制ってのを適用する事ができます。
ただ、設計作業はいいですが、
「プログラミングについては、その性質上、裁量性の高い業務ではないので、専門業務型裁量労働制の対象業務に含まれない」
という判決が出ていますので、プログラミングやそれに準ずる作業は、含まれませんね。


さて、現場にいる人間からすると、「なにこれ」な状態ですよね。
世の中には、
設計出来ないけど、設計書を書いちゃうSEも
設計書無しでつくっちゃうプログラマー(脳内で設計できている)も
沢山いるのです。
労働者側からすると駄目な点ばかりが噴出してきて止まらなくなるのですが、
それは色々な所で書かれている事ですので、
逆に辛うじて良い点を書いてみます。


自分が考える辛うじて良い点は、残業に対して煩く言われない点です。
会社側が残業代を払っていれば、きちんと「必要な残業」と「そうでない残業」と判断されます。
きちんと残業する理由を報告する必要が出てきます。
当然ですね。無駄に残っている人間が残業代を貰うような事があっては困りますので。
さて、こうなった時に困るのが、「作業が遅い人」です。
「能力が劣っているから作業が遅い」では中々認められないだろうし、「じゃあどうやって改善するんだ?」という所の解を求められる事もあるでしょう。
すぐに答えが出れば、そもそも残業なんかしてないはずですが
会社側も「能力が劣っている」という理由で、残業代を払い続けるわけにも行きません。
当然、同じ事をやるのに、「毎日定時で帰っても出来る人」と「毎日残業しないと出来ない人」がでてきますが、短期的にお金を沢山貰えるのは後者です。
(中長期的にみたら、出世が早いとかで前者の人の方が沢山お金を貰うかもしれませんが・・それも評価制度が正当に機能している場合でしょうが)
会社側の取り締まりも厳しくなりますでしょうし、仕事が早い人の方が評価もよいでしょう。
裁量労働制の場合ですと
残業する、しないも裁量されているわけで(建前上かも知れませんが・・)
会社側の取り締まりはそこまで、厳しくないケースも多いと思います。
こうなると、「毎日定時で帰っても出来る人」と「毎日残業しないと出来ない人」で出ていくお金が一緒で成果も一緒なら、評価も大差がないかも知れません。
もしかすると、「残業を沢山やってるあいつの方が頑張っている」なんていうしょうもないことになって、評価が逆転するかも知れません。
裁量労働制は作業が遅い人にとっては「能力差を埋めるのに時間を余計にかけても煩く言われず、評価も下げる事があまりない制度」と言えるんじゃないかと自分は思う次第です。

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